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福島の温泉

いざ、東北! とJRの広告にありました。
いま東北が困っている。いま行かずしていつ行くのだ!
というわけで、これまで何回か仙台方面には行ってまいりましたが、福島にはなかなか足が向きませんでした。
でも、いま一番ひどい目にあっているのは、どう考えても福島です。
どうせ温泉に行くのなら、福島の温泉に行こうじゃないか、と思いたち、行ってまいりました。

おとぎの宿米屋さん。
http://e-yoneya.com/

まあ、何ともメルヘンでかわいいお宿でした。
お部屋がかわいいのはもちろん、お料理も物語仕立てになっていて冬のいまは「かさこ地蔵」をテーマにした会席料理です。「1話 ひっそりと暮らすふたり」(前菜)「2話 雪の道」(吸い物)「3話 賑やかな町」(造り)
という具合に進み、最後「9話 めでたし、めでたし」(デザート)まで、次は何が出てくるかな、と楽しみながらいただきました。

お湯がまた良かった~。お肌がすべすべ、ツルツルになりました。
露天風呂、外に出て湯船に入るまで、さすがにちと寒いですけどね。私、あせって入ろうとして足をすべらせ、水泳のスタートみたいな恰好で湯船に飛び込んでしまいましたけど、見ていたのはお月様と星たちだけだったので恥をかかずにすみました。

おすすめのお宿です。

カエルチョコ [カエル]

スイスのお土産にいただきました。

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かわいすぎて、食べることができません。

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2011年の桜

どんなにつらく、厳しいときでも、桜の花は咲く。

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森達也『A3』 [本]


 分厚いし、森氏自身が言うように「批判や反発に晒されるかもれしれない」本かもしれないけれど(それもヘンな話だと思う)、ぜひ多くの人に読んでほしい。
 オウムのことを題材にしているが、オウム事件や麻原彰晃のこと「だけ」を書いているのではない。むしろ、私たちの社会のこと、メディアのこと、私たちのメンタリティーの問題を取り上げ、疑問を呈している。

 私は死刑制度には反対だ。ところが、ことオウムや光市母子殺害事件の犯人に対しては「絶対死刑に値する」あるいは少なくとも「死刑もやむを得ない」という世間の大多数の考えに抗うことができない。この「こと○○に関しては」という特例がこわい。「例外はいつの間にか例外として認識されなくなる」。その危険性を森氏は繰り返し指摘する。

 一連のオウム事件とは何だったのか。麻原とはどういう人物で、なぜ、多くの真面目で優秀な若者が彼に従ったのか。教団は何を目指し、なぜあのような危険極まりない集団になっていったのか。
 日本を揺るがし、震撼させたオウムによる一連の犯罪は、裁判で徹底的に真相を究明するべきなのだ。真相がわからなければ、同じ過ちは形を変え、繰り返されてしまうだろう。しかし、現実はどうかといえば、何も解明されないまま、教祖と幹部信者たちの死刑が確定し、あとは処刑を待つのみという状態になっている。残るのは「オウムはこわい」という漠然とした恐怖心のみだ。

 本書を読んで自分がいかに「思考停止」していたか、大いに反省させられた。

ザ・タウン [映画]

 公開初日というのに、観客が少ない。

 マスコミ各紙の映画評は非常に好意的だったのに。

 で、とても期待して見たのですが……残念。私の好みではありませんでした。

 トシとともに、この種の暴力にどんどん耐えられなくなっています。必要以上に人を殴ったり、蹴ったり、銃を頭に突きつけたり、撃ったり、車をぶつけたり、火をつけたりしないでほしいのです(必要以上に、と書きましたが、そもそもこうした行為を「必要」とは思っていません)

 まあ、でもその分、人物がしっかり描けていれば納得できたハズですが、人物描写も薄っぺらい。ストーリー展開にも無理があり、「んなわけないでしょ」とツッコミを入れたくなるところが何箇所もありました。

 予告編で見た「英国王のスピーチ」に期待します。

 そうそう。話はまったく違うのですが、東宝シネマズで本編の前に上映している「紙兎」が、今月もたいへんおもしろかったです。アキラ先輩、そろそろ「就活」が気になっているようです。

あけましておめでとう

屋上からの初日の出とスカイツリー

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最後の忠臣蔵 [映画]

年の瀬。大掃除がまったく手つかずなのに、現実逃避のため映画館に
向かってしまいました。日経新聞の映画評を読んで気になっていた
「最後の忠臣蔵」。夜8時半からの回だったので、ガラガラでした。

忠臣蔵は歌舞伎でよく観ますし、ときどきテレビの時代劇でもやって
いるから、ある程度はなじみがあります。しかし、主君の命で討ち入り
に加われなかった二人の武士に焦点をあてた今回のストーリーは
とても新鮮でした。そして、その二人を佐藤浩市と役所広司が演じている
となれば、おもしろくないわけがない。
特に役所広司の演技は本当にすばらしかったです。
(以下、若干のネタバレ注意です!)

「忠義」なんていう言葉は、いまの若い人たちには通じないでしょうね。
ひたすら忠義のために、16年間堪え忍んだ二人が、二人にしかわかり
えない心を通わすシーンでまずウルウル。後半は涙が止まりません。
お姫様役の桜庭ななみちゃんが、かわいくて、演技もうますぎないので
逆に初々しくて、はまり役でした。
大石さまを片岡仁左衛門さまが演じていたのもうれしい。
随所に散りばめられる人形浄瑠璃もいいアクセントでした。
お嫁入りの松明のシーンも美しい。

最後、タイトルの意味がわかります。
こうするほかはなかったんですよねえ。好きではない終わり方
だけど仕方がなかったと思うのです。

今年観た映画のなかで堂々のベストを年末に観ることが
できました。大掃除は結局あとまわし。年が明けてしまいそう。

トイ・ストーリー3 [映画]

マイケル・ムーアがツイッターで絶賛していたので観てきました。
3D版です。お子様率高し。でも、これは大人が観ても十分楽しめ、
切なくて泣けてくるお話です。

子どものころ、私も映画の中に出てくる女の子のように、
人形たちに「人格」や役割を与えて遊ぶのが大好きでした。
ぬいぐるみや人形たちを2列に並べ、よく学校ごっこをしました。
私は校長先生です。彼らに何を教えていたか、記憶は定かでは
ありませんが、とにかく「空想の学校」で何時間でも遊ぶことが
できました。

クマのぬいぐるみとバービーとの悲恋ものも好きでした。
周囲に大反対されても結婚した二人(?)を、音楽にのせて
ダンスさせたものです。

ほとんどの人形たちはもうとっくに捨ててしまいましたが、
「ケン」という名の犬のぬいぐるみは今も持っています。
なんと40年以上も!

今日の映画を観て、いま残っている人形たちはこの先ずっと
私のそばを離れないだろうな、と思いました。


『逝かない身体ーALS的日常を生きる』川口有美子 医学書院 [本]

神経性の難病ALSを患った母親に、12年間寄り添った娘の記録です。
とサラッと書いてしまうと、この本のすごさ、深さは伝わりませんね。

からだの自由が徐々にきかなくなくなり、しまいには眼を動かすことも
できず、意思を伝えることもできなくなったお母さまの横で、著者の心は
揺れ、迷い、不安にかられます。ここ数年で、読んでいてこれほど苦し
かった本はありません。自分ならどうするだろう。生きるとはどういうことか。
安楽死は認められるべきなのか。さまざまな問いを突き付けられ、その
たびに「うっ」と立ち止まってしまいました。

しかし、本を読み進め、このページにさしかかったとき、私はこれまでに
見たこともないような美しい景色に出合った気分になりました。

お母さまがいよいよ「植物」状態になり「閉じ込められた」ようになって
しまったとき。著者はこう記しています。

「むしろ草木の精霊のごとく魂は軽やかに放たれて、私たちと共に
存在することだけにその本能が集中しているというふうに考える
ことだってできるのだ。すると、美しい一輪のカサブランカになった母の
イメージが私の脳裏に像を結ぶようになり、母の命は身体に
留まりながらも、すでにあらゆる煩悩から自由になっていると信じられた
のである」
「ここからは簡単だった。患者を一方的に哀れむのをやめて、ただ一緒に
いられることを尊び、その魂の器である身体を温室に見立てて、蘭の
花を育てるように大事に守ればよいのである」
(200-201ページ)


この文章に出合えて、本当によかった。
川口さんに深く感謝します。

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